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青カビタイプ第二弾 フランス産「ロックフォール」の紹介

自然の中の偶然が生んだチーズの最高傑作「ロックフォール」


ロックフォールはフランスを代表する青カビチーズで、その歴史は古く誕生は2000年以上前に遡ります。

誕生にはこんな伝説が残されています。昔々、ひとりの羊飼いが羊の世話をしていた時、美しい女性が通りかかりました。羊飼いは女性の後を追いかけていきますが、うっかり洞窟に羊のチーズのサンドウィッチを置いてきてしまいます。しばらくぶりにサンドウィッチを取りに洞窟に戻ったところ、サンドウィッチは青カビに覆われ、ロックフォールチーズに変わっていました。
偶然置き忘れたパンとチーズが絶妙な湿度と温度の中に置かれ、洞窟を抜ける自然の風を受け、薫り高い青カビが作り出されたのです。



ロックフォールは今でも洞窟で熟成が行われます。作り方には細かな決まりごとがあり、場所もアヴェロン県ロックフォール=シュル=スールゾン村にあるコンバルー山の洞窟と決められています。
この洞窟は石灰岩の岩山で、1年中チーズの熟成に適した温度(平均10℃)と湿度(最低80%)に保たれており、内部はまさに天然のセラーといえます。フルリーヌと呼ばれる洞窟内のところどころにある亀裂から吹き込まれる冷涼で湿度を含んだ風が、ロックフォールの風味の決め手となる青カビ「ペニシリウム・ロックフォルティ」を育みます。



濃厚でシャープなくせになる味



ロックフォールは「世界3大ブルーチーズ」の1つですが、中でも特に個性的で刺激的な風味があります。
濃厚でコクのある羊のミルクに力強い塩味とシャープな青カビの香りが一体となり、複雑かつ繊細な風味を生み出しています。
組織はもろく、口に入れると儚く溶けていきます。最初のうちは強い風味に驚くかもしれませんが、食べる回数を重ねていくうちにだんだんくせになっていきます。


ロックフォールをもっとおいしく


ドライフルーツ、はちみつとあわせて

イチジク、プルーン、枝付きレーズンなどのドライフルーツはロックフォールの塩味を和らげ個性的な風味をひきたてます。はちみつをかけても良いでしょう。



お肉のソースに

ロックフォールは赤身の肉と相性が良いので、ビーフステーキやラムチョップのソテーにソースとして使うと絶品です。



ワインの赤と白はこう選ぶ

赤ワインは、ロックフォールの個性に負けないフルボディを。白ワインは、甘みの強い貴腐ワインが合います。ロックフォールとソーテルヌは定番の組み合わせです。



保存方法


水分がでやすいチーズです。キッチンタオルにくるんでアルミホイルで覆い、チャック付きの密閉袋に入れておきます。キッチンタオルは定期的に交換しましょう。


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