Cheese magazine チーズマガジン

生産部Tが行く!フランスCF&Rチーズ学校研修レポート【前編】

チャーム・ド・フランスブリーの製造メーカー、CF&Rが主催するチーズ学校に生産部所属のTが参加しました。座学、製造体験など学ぶこと満載の2日間の他、チーズ市場、物流倉庫もレポートします。

2017年3月27日(月)



初日は、スーパーマーケットの売場を見学します。各店、チーズコーナーのスペースを大きくとっていて、物量の多さに圧倒されます。値段は1個あたり約1〜4ユーロで、本当にお手頃!



フランス人の定番チーズの1つであるカマンベールは、どこの売り場も充実の品揃えです。本格的な未殺菌乳タイプ、低脂肪タイプ、切れてる個包装タイプなど様々あって、細かなニーズに対応しています。



ラクレットブームは、いまだ健在です。調理には小型の専用オーブンを使うのが一般的ですが、電子レンジ派もいるとか。何ワット、何秒で溶かすのか気になります・・・日本でも流行るかな?レンチン・ラクレット。



近年、ビオ(オーガニック)食品の消費量が上がっているそうで、ビオタイプのチーズもいくつかありました。ビオ製品は全般的に高価ですが、それでも特設コーナーの広さを見ると関心の高さがうかがえます。



おつまみタイプやスライス、シュレッドといった料理用タイプの種類が、以前よりも増えています。チーズをふんだんに使った冷凍食品も、目移りしてしまうほどバラエティ豊か。フランスの食事情にも、「時短」の波を感じます。


2017年3月28日(火)


倉庫見学



朝、パリから高速に乗って、港町Le Harvreへ。今日は、国際物流会社S社の倉庫を見学します。建物や車がいっぱいのパリを抜けると、徐々に緑の丘陵にレンガのおうちが点在するのどかな車窓が広がり、青空も広々としてきます。



S社は、ヨーロッパ最大の食品物流のスペシャリストであり、当社の主力商品、「チャーム・ド・フランス ブリー」も低温コンテナを使って船で運ばれます。

訪問した時、ちょうどブリーがCF&R社の工場から運ばれてくるところでした。搬入後は徹底した低温管理のもと、細心の注意を払いながら検品とバンニング(コンテナに荷物を詰める作業)が行われます。これなら、気温が上昇するこれからの季節も心配ありません。安心して、貨物を日本へ送り出せます。


当社は日本で商品を受け入れる側ですが、輸出の場面を実際に見ることができて、大変参考になりました。


カマンベール村へ

Le Harvreを後にして、明日からのチーズ学校へ向かう途中に「カマンベール村」の標識を発見!急遽、立ち寄ることにしました。




山道を走ること30分、カマンベール発祥の地に到着です。村の入り口にある看板に「カマンベールミュージアム」の文字を見てテンションが上がりますが、なんと、本日休館日・・・ミュージアムは残念でしたが、山間にひっそりとあるこの小さな村でカマンベールが誕生したんだと思うと、感慨もひとしお。チーズの歴史についてあまり知識がなかったので、勉強しておけばよかったとちょっぴり反省です。


2017年3月29日(水)

チーズ学校1日目



今日は、いよいよチーズ学校初日です。ホテルを出て車で進むと、突如、前方に大きなカマンベールの看板が見えてきます。ここがチーズ学校1日目の講義が行われる、CF&R社のPace工場です。

CF&R社は、国内に9ヶ所の工場を持つフランス最大級のチーズメーカーの1つで、良質なミルクを使い白カビチーズやラクレットを中心に製造しています。東京デーリーの定番品、「チャーム・ド・フランス ブリー」は北東部にある工場で作られています。


まずは、工場内の見学から。赤のギンガムチェックがトレードマークの「ル・ルスティック」ブランドのカマンベールを製造中でした。




1回に作られる量は多く、大きな部屋にカード(固めた乳を細かく切ったもの)が入ったバットがずらりと並べられていて、圧巻の眺めです。年間製造数約2万トンも納得!工場内は衛生的で近代的な設備が揃い、オートメーション化している部分が多くみられました。


会議室に戻り、講義の始まりです。

1時間目 風味テスト



コップに入った無色透明の水に、微量の塩味、苦味、酸味、甘みなどの風味をつけたものを口に含んで、それぞれ該当するものがどれかを当てていきます。これは仕事で定期的に行っているので、難なくクリアしました。


2時間目 白カビチーズの風味比較


チーズごとに香り、味、食感などを観察してコメント表に記入します。風味がやさしいものから力強いものまで、味わいも様々。意識して食べ比べてみると、違いが良くわかります。




3時間目 講義



フランスでのチーズのトレンドと、世界における牛乳事情からスタート。その後、牛種ごとの乳質の違い、チーズにかかわる微生物を学びます。更にチーズの製造プロセス、凝乳条件、品質検査、チーズの種類についてなど講義は続きます。説明は全て英語で行われるため、ただでさえ聞き取りが大変なうえに、内容がハードで脳みそがオーバーヒートしそう!初めて知った内容もあって、大変勉強になりました。仕事に活かせるように、がんばります!




チーズ学校1日目を終え、2日目の講義が行われるSaint Loupへ移動します。途中、趣きのある村々の合間にノルマンディ種の牛を発見し、思わずシャッターを切ります。牛たちは好奇心旺盛で、カメラをむけるとじっとこちらを見つめてきます。おかげでカメラ目線バッチリの写真を撮ることが出来ました。


明日は、酪農学校での製造実習です。(後半につづきます)


チーズマガジントップ