Cheese magazine チーズマガジン

加熱しておいしいセミハードタイプ「ラクレット」の紹介

今回のチーズマガジンは、あつあつトロトロの食感が魅力の「ラクレット」をご紹介いたします。


ラクレットのプロフィール



ラクレットは、スイスの南西部に位置するフランス語圏のヴァレ州生まれです。
はじまりは「山小屋でチーズを暖炉の火にかざして溶かした」、とも「羊飼いが薪の火でチーズを溶かした」、ともいわれていますが、いずれも溶けたチーズの切り口をナイフで削ぎ取る食べ方をしたのが始まりです。フランス語の「削り取る」という意味の「Racler(ラクレ)」から「ラクレット」と名付けられました。アルプスの少女ハイジが山の上にあるおじいさんの家で食べたのもこのラクレットと言われています。


ラクレットは本国でも外国でも大人気



2000年代にはスイス産の名産地品であることを認証するスイス独自のAOPの認証を取得しており、認証をうけたものは「ラクレット・デュ・ヴァレ」と呼ばれています。

又、そのおいしさは国外でも人気です。お隣フランスではスーパーマーケットの棚に、常時所狭しと並べられいて、規格外ではありますがフランスのメーカーでも多くラクレットを製造して販売しています。日本でも近年のラクレットブームで以前よりもスーパーやインターネットで入手しやすくなりました。ラクレットを製造する国内の工房やレストランも以前より増えてきて、認知度の高まりを感じます。


食べ方、風味



チーズを溶かし、皮つきのゆでたジャガイモにかけていただくのが伝統的な食べ方ですが、温野菜、厚切りのベーコンとあわせてもGoodです。コルニションという小さなきゅうりのピクルスをつまみながらいただくと、爽やかな酸味でお口の中をリフレッシュすることができます。

香りは強めで、初めてラクレットを食べる方には刺激が強いかもしれませんが、香りに反して味はとてもマイルドでミルク本来のやさしい味わいがあります。
強い香りはリネンス菌によるもので、熟成中にチーズの表面を塩水でふき取る工程があるためです。ラクレットはセミハードタイプですが、ウォッシュタイプでもあるのです。
最近ではスモークされたものや、羊乳製のもの、パプリカや、ペッパー、ガーリックなどが入ったものもあり、バリエーションも豊かです。


ラクレットを溶かしてみましょう


ラクレットを溶かすのに便利な器具をご紹介します。


電気オーブン

塊のラクレットを溶かすのに適しています。半分に切り分けて、切り口をオーブンに当てて使います。主にレストランで使われています。

電気グリル

各自用の小さなフライパンが付いた専用グリルで、薄く切り分けたラクレットを乗せて溶かします。市販のスライスされたラクレットを使うと便利です。
グリルの上ではベーコンや温野菜を焼くことができます。家庭で使うのに適しています。

ラクレットオーブン

ろうそくの火で温める簡易タイプで、電気なしで気軽に使えます。
こちらも、スライスタイプのラクレットを使うと溶かしやすいです。
スイスでは、ピクニックにこのラクレットオーブンを持っていくとか。

専用器具以外

専用器具がなくてもラクレットはできます。ホットプレート、テフロン
加工のフライパンがおすすめです。チーズを細かくしてたこ焼き器で溶
かすのも便利です。いずれも、器具を傷めないように木べらやスプーン
を使ってください。火力は、弱火でじっくりと溶かしましょう。




電気オーブン

電気グリル


まとめ


今回のチーズマガジン、いかがでしたでしょうか?ラクレットは、チーズさえ入手すれば、あとはチーズを溶かすだけのお手軽メニューであることがお分かりいただけたと思います。スイスやフランスでは日本の鍋や焼肉のように人が集まる機会にみんなラクレットを楽しんでいるようです。皆さんもぜひ、ご家族やお友達とラクレットパーティーを楽しんでみてくださいね。

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