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白カビタイプの熟成による風味の変化、あなた好みの食べ頃は?

白カビタイプは、表面が白いカビで覆われており、その表面の白カビにより外側から中心に向かって熟成が進むチーズです。クリーミーでマイルドな口あたりで、それほどクセがなく食べやすいものが多いため、チーズ入門編として最適です。生きている白カビの力で日々変わっていく風味を味わい、比較するのも楽しいですよ。

白カビタイプの基礎知識


フランスを代表する人気の白カビチーズ「ブリー」

日本では白カビタイプのチーズというと「カマンベール」を思い浮かべる人が多いですが、「ブリー」もフランスを代表する人気の白カビチーズです。歴史的にはブリーの方がずっと古く、フランスのブリー地方で1,000年以上前からつくられていたとされています。

チーズの王様

1814年から1815年ヨーロッパ中の代表が集まったウィーン会議の際には、余興でチーズコンクールが開催され、各国の外交官が持ち寄った60余りのチーズの中で、満場一致で1位となったのがフランス代表の「ブリー・ド・モー」でした。その時、オーストリアの宰相メッテルニヒは「ブリーこそチーズの王であり、最高のデザートである」と認めたそうです。それ以降、フランスでは「チーズの王様」と称されています。


カマンベールの歴史

カマンベールは、ブリーチーズをもとにつくられたといわれています。1791年ごろ、カマンベール村の農婦マリー・アレルがフランス革命の難を逃れてきた司祭をかくまい、その際に製法を教わったといわれています。そのチーズをナポレオン3世に献上したところ気に入られ、一躍有名になったとか。今では世界中でつくられるポピュラーなチーズとなりました。


白カビタイプ 熟成による見た目と風味の変化



若め

  • 表面の白カビは真っ白で中身は白っぽく硬い芯が残っている状態
  • フレッシュなミルクの風味と酸味があり、マイルドな味わい


中熟

  • 表面の白カビは白く、一部黄色から麦わら色が出てくることもある
  • 表面に近い部分はクリーム色で滑らかな組織で、中心部分には硬い芯が残っている状態
  • クリーミーで程よいコクもある風味


完熟

  • 表面は所々赤褐色に変化し、アンモニア臭が感じられることもある
  • 中身は全体がとろ~っとなめらかでツヤがあり、流れ出すほどやわらかい状態
  • 濃厚な風味が楽しめるが、少々癖のある芳香が出てくる

食べごろまで熟成してから容器に入れ殺菌しているタイプ(賞味期限が長いロングライフタイプ)は、白カビが生きていないため熟成による変化は無く、開封時が常に食べごろで、白カビタイプ初心者に最適です。


食べ方

食べる30分前には冷蔵庫から出して室温に戻しておきましょう。その際、包装紙をはずして空気に触れさせると、本来の風味が蘇ります。そのまま食べてもおいしく、またリンゴなどのフルーツやジャムと合わせてオードブルとしてもおすすめです。加熱してトロッと溶かしても濃厚で、また違った美味しさが楽しめます。

切り方のコツ



円盤状のチーズはケーキのように放射状にカットしましょう。



このような形状のブリー等は上図の点線に沿った感じでカットしましょう。


保存方法


乾燥に注意しましょう。ラップで包み、キャベツの葉などを入れたフタ付き容器やジッパー付きの袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保管しましょう。チーズは匂いを吸着しやすいので、肉や魚の近くで保管するのは厳禁です。

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